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2023.7.10(Mon.)-
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会長挨拶

会長
藤野 裕士
大阪大学大学院医学系研究科 生体統御医学講座 麻酔・集中治療医学教室

麻酔科学と麻酔科医の可能性を再考する

伝統ある日本麻酔科学会の第70回会長を拝命いたしました。現在麻酔科を取り巻く状況は変化の只中にあります。麻酔科の受け持つ領域は、手術室における麻酔業務、集中治療、疼痛医療、緩和医療と多岐にわたります。麻酔業務が麻酔科の基本であることは言うまでもありません。麻酔業務は安全な手術の施行という観点から重要性はゆるぎないものではありますが、医学の進歩という観点からみると、がん治療や再生医療といった現在主流の研究テーマからは距離があり、麻酔関連企業数の減少もこれと無関係ではないと思います。また麻酔薬、ビデオ喉頭鏡をはじめとする麻酔関連機器、モニター機器の進歩により全身麻酔がより安全に施行できるようになりましたが、逆にすべての麻酔症例に医師を割り当てる必要性に対する疑義が向けられ、特定行為研修を受けた看護師を参画させる動きに繋がっていることは、会員の先生方がご理解されている通りです。また近年は後期研修医の受け入れにおいて都市部のプログラムには厳しいシーリングが課せられることになりましたが、この定員は手術室の麻酔業務のみから算出されていると聞いています。麻酔科学の中でも集中治療医学を主たる専門分野とする麻酔科医として活動してきたものとしては、現在の専門医機構の麻酔科領域に関する理解には忸怩たる思いがあります。最初に述べたように麻酔科学は疼痛医療、緩和医療も含めて非常に幅広いものであり、その広さを私自身強く誇りに思うものです。第70回学術集会のプログラムを検討するにあたり、麻酔科学が本来持っている領域の広さを再認識することを基本テーマとしたいと思います。そのためにも現在の麻酔科医と麻酔科学会が直面している状況や課題を取り上げ、会員の理解を深めることで基本テーマの重要性をより認識して頂けると考えております。会員の先生方の記憶に残る学術集会を目指したいと思いますのでご協力をよろしくお願いいたします。

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